
片づけのテクニック満載!
そんな期待いっぱいで読み始めたのですが、あれ? そういう本ではないな、とすぐに感じました。それもそのはず。この本は小説だからだ。
だけど、読み始めたら、本文にグイグイと引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。総数307ページもあるのに、ほんとうにあっという間でした。
この小説は、どういう内容なのかというと、あ、ネタバレにならないように、ザックリと書きますね。
人にはそれぞれ、人生の悩みや問題があります。その悩みや問題を抱えた人が、部屋(住まい全般)の管理をしたら、部屋はどのような状態になるでしょうか。答えは、そんな状況にある自分を映し出したかのような部屋になります。
片づけ屋・大庭十萬里は、お節介が好きなのでしょうか。
色んな人の悩みや問題に首を突っ込んでいくのですが、この首の突っ込み方が上手い!
どういう風に上手いのか。
悩みや問題は解決されたのか。
これらを書いたら読む楽しみがなくなるので、ここは『お口をチャック』しますw
だけど、どうしても、これだけは言いたい!
ーーー
そりゃあ、こんな首の突っ込み方をされたら、依頼人の家族たちは、部屋の片づけをやってみようかという気持ちになるでしょうよ。
ーーー
あぁ、全部書いてしまいたいけど、我慢、我慢。
フゥ。
本書は小説なので、読んでいるうちに、いつの間にかその世界に引き込まれて、心を動かされます。心を動かされた結果、何を思い、どう感じるかは人それぞれですが、多くの人は、きっと、このように思うでしょう。
部屋、片づけてみようかな…。
本書『あなたの人生、片づけます』は、そういう本(小説)なのです。
もちろん、片づけ系の本なので、気づきを促されるようなフレーズに出会うこともできます。念を押しておきますが、この本は小説なので、そういうフレーズがたくさん出てくるわけではありません。
その中で、ぼくが「あ、これいいな」と思ったものを『3つ』紹介します。
1つ目は、これ。
最もまずいのは、見るたびに、「ああ、無駄遣いしてしまった」と後悔して落ち込むことです。見るとつらくなるものは、処分した方が精神的にもいいんです。
引用:あなたの人生、片づけます
見るとつらくなるもの。この部分に触れたときは、これは物だけじゃないよね。経験もだよね、と思いました。経験を捨てるのって、超難しいんですよねー。
次は、これ。
きれいなリビングで、丁寧に淹れた紅茶を飲む。誰のためでもない、自分のために。ひとりでゆっくりと寛げる大人の女になる。
引用:あなたの人生、片づけます
もちろん、ぼくは男なので『女』の部分を『男』に置き換えました。このフレーズは、ぼくが理想とする生活につながっていたというのもあり、個人的に気に入りました。
最後は、これ。
そりゃあいっぱいあったと。捨てがたいと思ったもんは写真に撮っておいた。ときどき見るけん寂しいことなか。人間はみんな裸で生まれて裸で死んでいく。そいを実感するようになったばい。
引用:あなたの人生、片づけます
ぼくは今のところ、捨てがたいと思ったものに出会ったことはないのですが、いつかは、そういうものに出会うはず。そのときは、このフレーズを思い出して、片づけに役立てたいです。
これらのフレーズは、単体でも心を動かされるものがあると思いますが、本書を読んで内容に触れると、心への響き方や訴えかけるものがより強くなると思います。その辺りも、本書を読む楽しみの1つにされてみてはいかがでしょうか。
他にも紹介したいフレーズがあるんだけど、残りは、読んでからのお楽しみ ^^
本書、オススメです。
ぜひ、読んでみてください。
以上をもちまして、書評記事は終了です。
それでは皆様、またお会いしましょう。
バイバ~イ ^^